令和6年8月21日~8月26日 10:00~18:00(最終日17時閉場)
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令和6年9月4日~9月10日 10:00~19:00(最終日16時閉場)
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奈良県立万葉文化会館のミュージアムショップにて渋柿家の商品を販売しております。
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柿渋染めとは青柿を粉砕し、発酵熟成させた渋液を繰り返し染めることで、独特の風合いと色合いの表情を見せてくれると同時に、防虫、防腐、耐水性など表面の強度も促しています。使い込むほどにさらに味わい深い色合いになりまさに「渋い」「癒し」「香り」「触り」が柿渋染めならではの魅力です。
親から子へ受け継がれていくような鞄を作るのが私たちの使命です。
柿渋は日本古来から漁網、酒袋、和傘、傷薬、漆器など日常生活に幅広く利用されてきました。近年のオーガニック志向により安心安全な自然産物として、その価値が改めて見直され医薬品、食品添加物、化粧品、染料などさまざまな用途に使われています。
一般的には和傘、壁材や漆器の下塗りなどに塗料として刷毛塗りが多く、柿渋染めは草木染料の色素と違って、光の酸化現象による化学反応によって色が生じるもので、何度も浸染(しんぜん*布をつけて染める)しては乾燥の繰り返しではじめて独特の色合いを醸し出します。
染め上がった布地のタフさ加減は、ちょっとした刃物でも切れにくくなるぐらい強靭で、表面の凸凹感は立体的で、光の当たり形で鹿革やスエードのように、綿の産毛が繊細な輝きを見せます。自然な発酵型柿渋液の持つ魅力は、10年20年単位の経年変化を楽しめますが、柿渋は分子量が大きく、親水性、親油性の相反する性質をもっていて化学的にはまだ解明されていない未知数のものです。現在では高速抽出法による無色無臭の柿渋の存在の可能性も大きく、多色化の新しい感性の商品の誕生が期待されます。
柿渋は分子量が大きい為、塗料として使用されてきて、染めには向かないと言われてたきました。何度も浸染しては日光にあてないと色が付きにくかったのですが、奈良県が開発した高速抽出法によるポリフェノールの純度の高い柿渋が生まれ、草木染料との配合が可能となり、従来になかった多色化が出来る、無色無臭の柿渋染料が誕生しました。柿渋の引き締め効果により、表面の立体感が自然な風合いを表現してくれます。
進化する柿渋染めの開発は、2011年度に産官学共同研究により耐光堅牢度を高める「光退色抑制剤」(特開2011-225865)によりJIS4級まで高める技術も向上させ、ポリフェノールの純度の高い柿渋染料の誕生により、様々な新しい素材との組合せで近代的な感覚が生まれる可能性に期待が寄せられています。
渋柿を粉砕し、2~3年発酵して出来上がった臭いのある従来の柿渋から奈良県農業総合センターが開発した高速製法により、約2週間で抽出できるようになりました。その無臭でポリフェノールの純度の高い柿渋を使うことで、新しい色相、風合いのある多彩な渋色を万葉の色合いで表現しました。江戸時代には48茶100鼠と言われるぐらい茶色でも歌舞伎の焦茶色は有名です。
真朱(しんしゅ)とは、少し黒みのある鈍い朱色のことです。わが国では縄文時代から発掘されており『万葉集』にもその名が見られます。
色名に「真」の字がついているのは「混じりのない自然のままの朱である」という意味からです。
藍色(あいいろ)とは、縹色(はなだいろ)ほど純粋な青ではない暗い青色のことです。純粋な深い青色を藍色と呼ぶようになったのは、江戸時代以降になってからで歌川広重をはじめ多くの絵師が用いたことから「ジャパンブルー」と呼ばれていました。
桑染(くわぞめ)は、褐色を帯びたくすんだ黄色のことです。「衣服令」では黄より一つ上位の色として出てきます。江戸時代は桑染の色を桑茶(くわちゃ)と呼んでいました。時代の変化によって色合いは結構幅広いのが特徴です。
創業者である現会長が皮革染色業を営んでいた父親から皮革のノウハウを継承し、1970年、より多くの人に皮革の良さを感じて頂きたいとかばん製造業を始めました。以来皮革かばん製造一筋で、製作技術の向上に邁進してきました。しかし世の中の変化もあり、軽量化や自然にやさしい感性が求められ、皮革ベジタブルタンニン鞣しのこだわりと自然産物として魅力ある柿渋染めの開発にも10余年前から取り組みました。かばんの素材にはこだわりを持ち、人と環境にやさしい企業、鞄造りをめざしてきました。鞄つくりは、人つくりであると先代の教えを守り自分に妥協しない職人の魂が鞄に生まれ変わる喜びがあります。